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誰が真の先住民か

先住民だと主張する人々は世界各地にいる。しかしその元をたどれば、さらに古い民族がその土地に住んでいたと解る場合が多々ある。アメリカ大陸もその例外ではない。最近、モンゴロイドが住み着く前にすでにアフリカ系の人々がいたらしいということが解ってきた。まだ一般には知られていないが、その筋の学者たちが描き出した筋書きは次のようなものだ。

まずはこの説は人類アフリカ起源説に基づいていることを頭に置いておいて頂きたい。人類の起源については他にも、地上の二つあるいは三つの地域で同時に人類が生まれたという説、寒いロシアの地で生まれたという説、中国の長江中下流域で生まれた(巫山人:ふざんじん:200万年前の人骨化石)という説、異星人が関与して生みだされたという説などがある。しかし正当主流の学説では、今なおアフリカ起源説が席巻している。

この主流の学説によれば、現生人類は50万年ほど前に生まれ、およそ10万年前にアフリカを出て北に向かい、一方はヨーロッパ方向に、他方はアジアに向かったとされる。このアジアに向かった人々のうち、ある集団は南の海岸線に沿って移動し、インド、ジャワを経てオーストラリア大陸に辿り着き、その末裔が現在のアボリジニになったとされている。しかしそれ以前にオーストラリアに先住民がいたかどうかは分からない。考古学ではより古い化石や人骨が発見されない限り、存在しなかったことになるからだ。

さらに古い証拠が見つかっても無視されることがある。中国長江付近での発見も古代史を書き換えるには至っていなし、最近インドネシアのフローレス島で発見された高い知能を持つ小型人類(通称ホビット)も、根本的に人類史を見直す流れを作るには至っていない。オーパーツを含め、人類史を覆しかねない物的証拠は多々発見されているが、ほとんど正当主流の学界からは無視されている。

誰が真の先住民かさて話を元に戻すと、オーストラリアに辿り着いた人々は他の大陸とは違う過酷な自然条件の中で、狩猟採取の生活をしていたと考えられている。また彼らの上陸は一度だけでなく、12万年前から5万年前にかけて断続的に行なわれたと考えられている。この一部が東部海岸に住み着き、海産物を採って暮らし、舟を造って漁を行なっていたらしい。
オーストラリアの内陸部に、5万年前に描かれたと思われる舟の壁画が残っているが、これが人類最古の舟の絵だそうだ。ところがこの舟の舳先(へさき)は高く造られていて、専門家によると、外洋で使われる舟の特徴を表わしているという。それもあって、この舟を操っていた人々が時化(しけ)か何かで漂流し、太平洋を横断して遥かアメリカ大陸に辿り着いたとのではないかと考えられるようになった。南米大陸で最近発見された黒人種と思われる人骨の化石は、これらの人々の末裔ではないかと言われている。

この筋書きに沿って考えれば、モンゴロイドがアメリカ大陸にやってくる遥か昔から、黒人種の子孫であるアボリジニの末裔が住んでいたことになる。では一体誰がアメリカの真の先住民なのだろう。新しい骨が発見され、それが後の住人と違う場合、歴史は見直され、より古い先住民として認められることになる。だがこうしたことは考古学が100年以上に渡って繰り返してきたことであり、今解っている最も古い先住民が最初の住民だと断定することはできない。

日本においても、以前は日本人がもともと住んでいたと単純に考えられていたが、その後北や南や西から人々がやってきて住み着き、それらの人々が混血して今の日本人になったと考えられるようになった。今では少なくとも四つの方向から人々が渡ってきたと言われるようになっている。すなわち、かつてあったスンダランド方向からインドネシアやフィリピンの島々を経て日本列島にやって来た人々、朝鮮半島からまたは朝鮮半島を経てやってきた人々、主に(中国の)戦国時代に中国大陸からやってきた人々。そしてユーラシア大陸の北方向からサハリンを経てやってきた人々だ。

この説によれば日本人は雑種だということになり、純粋な日本人という言葉は意味をなさなくなる。日本人は縄文人と弥生人、そしてその後にアイヌ人と呼ばれる人々と和人と呼ばれる人々の混血ということになる。しかしこの和人というのが誰を指しているのかというと色々問題がある。倭人と書く場合は中国から見た、倭国に住む人々という意味になるが、和人と書く場合は、アイヌに対して新しく彼らの土地にやってきた人々、とでもいうべきだろうか。アイヌに対する日本人といえば話は簡単だが、日本人自体が混血種なので、どこまでの混血が日本人と呼べるのかという問題になってしまう。

では縄文人や弥生人が住み着く前に、日本列島に人はいなかったのだろうか。これも先程言ったように、さらに古い住人を我々は知らないので、誰が真の先住民かを特定することは出来ない。多くの場合、先住民というのは侵略者に対してその土地に住んでいた人々を指す言葉というべきで、最初に住んだ人々を指す言葉ではないだろう。

この大地には何億年もの間、様々な生き物たちが住んできて誰のものでもなかった。そこに人間がやって来て所有権を主張し始めた。何の根拠があって、何の権利があって主張し始めたのかは分からない。土地の所有権というものは、おそらく人間の傲慢さの上に成り立っているのだろう。


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